靴磨き選手権大会2023 今年のチャンピオンは。。。

約3年ぶりとなる靴磨き職人の頂点を決める大会「靴磨き選手権大会2023」のファイナルが先週11月18日に銀座三越にて開催されました。全国から集まった総勢64名が9月の大阪、10月の東京の1stラウンドを戦い、勝ち残った12名が戦うファイナルラウンド。大会の模様をご覧ください。

3ヶ月間という長丁場ということもあり大会期間中に選手たちは靴磨きの研究を重ね、今までに見たことがないような靴磨きのやり方が生まれたり今まで取り入れなかった工程を増やすなど熾烈な戦いになりました。

今までの大会の中で一番厳しい大会を勝ち抜き、その栄冠を手にしたのはBrift H青山の店長”新井田 隆”でした。過去の2大会連続3位の結果に終わっていた新井田が執念の末にチャンピオンに輝きました。

「諦めずにやってきて良かった。」
と優勝者インタビューで涙ながらに話していましたが、周りからの大きなプレッシャーを勇気と力に変えて諦めずに挑戦し続けた努力が実った瞬間でした。

ファイナルでは今までの靴磨きからガラッと方法を変えてきましたと話していた通り、ワックスにクリーナーを混ぜて鏡面磨きをするなど既成概念をぶち壊すような攻めの靴磨きを展開しつつ、日々店舗で鍛え上げあれた細部まで磨き込む繊細な仕上がりが印象的でした。

二位はDratewkaの折茂佳名人さん。三位は熊田靴店の熊田圭一郎さんでした。折茂さんはウェイトトレーニングで鍛え上げられた筋肉で常人の2倍速の磨きが印象的でした。体幹も出来ているのでブレないスタイルでした。また熊田さんは明るくキュートなお人柄にぴったりな靴に優しく労るような磨きが印象的でした。

惜しくも準決勝で敗退されてしまった出場者の皆様それぞれが素晴らしい靴磨きをご披露され、会場に駆けつけた大勢の観客の方々も大興奮のうちに大会は終了しました。

小川 恭生(個人)
𠮷冨 純弘(Boston & Re olds)
柏 正信(PLSB)
山岸 賢治(個人)
西岡 ぺこ(MIGAKI 座 継)
安部 春輝 (BURIE)
大平 雄太 (Chett)
新庄 海地(FANS新橋店)
熊田 圭一郎 (熊田靴店)
木嶋 友和 (Kutsubigaku )
折茂 佳名人(Dratewka)
新井田 隆 (Brift H青山)

【テクニカル審査員】
石見 豪 (第1回日本靴磨き選手権大会チャンピオン、TWTG代表)
斗谷 諒 (靴磨き選手権大会2019カラーリング部門チャンピオン)
藤澤 宣彰 (フローリウォネ主宰)
長谷川 裕也 (靴磨き選手権大会発起人)

また今回の靴磨き大会から技術だけではなくファッション性や個性も審査するプレゼンテーション審査を導入しました。ファイナルは日本の革靴文化の発展に多大な影響を及ぼしてこられた大御所のお二人にお越しいただき、この大会の格をグッと上げて頂きました。

【プレゼンテーション審査員】
鴨志田 康人 (ファッションディレクター)
松尾 健太郎 (The Rake Japan編集長)

また今回の大会は第一回大会から総合プロデューサーとして大会運営を仕切っている田代径太さん、名物解説として靴業界随一の知識を持つ飯野高広さんのお二人のMCによって常に楽しく、靴磨きに詳しくない方でも見やすい大会になっていました。

YOUTUBEでもこの大会の模様は見れますので長時間ですが気になる方はぜひご覧ください。

最後にこの大会を開催するにあたり沢山の協賛企業様の多大なサポートを受け、熱すぎるボランティアメンバーの力を借り、会場を埋め尽くしたファンの皆さまから沢山の勇気を頂けて本大会が大成功に終わったことを改めて御礼申し上げます。

これからも靴磨き文化の益々の発展と発信をしていくためにも2024も靴磨き選手権大会は開催してまいりますのでぜひ多くの方に靴磨き職人の靴磨きに対する情熱を感じていただければと思います。

日本は間違いなく世界一の靴磨き大国です。これからも”世界の足元に革命を!”をモットーに盛り上げていきますのでどうぞ宜しくお願いします。

大会発起人 長谷川裕也