「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」其の拾五

シリーズでお届けする「長谷川裕也の熱烈靴磨き道場」。第15回目は、靴磨きをする上での最終「第15工程目」について。長谷川裕也が熱く語ります。

2022年10月に始まった靴磨きの全15工程の連載も今回で終了です。1年間お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。この連載と共に靴を磨いていた方は一年掛けて靴を磨いたという世界でも類を見ないじっくり磨きだったと思います。(そんな人はいないと思いますが)

それでは最終工程の第15工程「ソールにオイルを塗る」についてお話ししていきます。

革底の靴の場合は仕上げにレザーソールオイルを塗布します。革底にも栄養補給をしてしなやかなソールにします。

なぜ最終工程にするかと言いますと、ソールにオイルを塗った後に靴を磨くとソールのオイルが手についてシミにしてしまう危険があるからです。なのでソールにオイルを塗るのは全ての磨きが終わった後というのが鉄則です。

先週配信でお送りした”THE LEATHER SOLE OIL”でも製品については詳しく触れましたが革底には数種類の植物性オイルとお酢を配合したオリジナルオイルを塗布します。

もしお持ちでない方は無色の乳化性クリームでも代用が効きますが、ソールへの染み込みとお酢による除菌効果を考えると専用のソールオイルを塗るのをお勧めします。

ソールオイルはその名もオイルなのでアッパーにこぼしてしまうとシミになったり光沢がなくなってしまったりしてトラブルの原因になるので先端がスポンジタイプを開発しました。少しボトルを強く握り締めスポンジにオイルを染み込ませてから塗り始めます。

まずはつま先から塗っていきます、すっすっと慎重に縦方向に塗っていきます。端から塗り込んでいき全体に塗り広げていき特に屈曲するソール中心部には2度塗りをしてたっぷり染み込ませましょう。

しっかり全体に行き渡ったら完了です。僕はヒールにも塗りますが靴の機能としては塗る必要はありません。革底前方のように屈曲するわけではないので栄養補給の意味があまり無いのですが除菌という意味で普段は塗っています。10分くらいすれば乾くのでその間に外した靴紐を通しておきましょう。

これにて靴磨きの工程は全て完了です!最終工程はなんともあっさりと。。。

靴磨きの頻度に関して、この全工程を10回履いたら一度行うことが出来ればかなり靴磨き優等生ですが、普通の頻度で履く靴ですと3ヶ月に一度くらいでも全く問題ありません。もっと言うとこのくらいしっかり磨きをかけておけば半年に一度でも靴が劣化していくことはないと思っています。

自分自身所有している革靴は現在50足ほどですが(20足くらいまでに抑えようと必死なのですが増えてしまう)半年に一度しっかり磨きを施しているので全ての靴が元気な状態です。無理はせずご自身のちょうど良いルーティーンを見つけて頂き、こちらで指南させていただいた基本的な靴磨きの全工程を行なっていただければ幸いです。

”継続は力なり”

定期的なメンテナンスに勝るものはありませんので愛靴達と一生共に歩める相棒にしてあげてください。

次回からはその他の起毛素材や特殊な素材の靴磨きの方法など幅広い靴磨きについて指南していければと考えておりますので引き続き熱烈靴磨き道場にご期待ください。それではまた!押忍押忍押忍!!!

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